小青竜湯
(しょうせいりゅうとう)

特徴

水っぽい鼻水(アレルギー性鼻炎)に悩む方向けの漢方薬

漢方では「気(き)・血(けつ)・水(すい)」がバランス良くめぐって健康を保っていると考えます。なかでも「水(すい)」は、血液以外の水分や体液を指すもので、食べ物や飲み物の中の水分を消化吸収によって人の体に必要な形にして、体をうるおすもののことです。体の「水(すい)」のめぐりがうまくいかずに排泄できないと、体内に余分な「水(すい)」がたまりやすくなり、さまざまな不調を起こします。その「水(すい)」が鼻からあふれ出たものが鼻水(鼻汁)です。また、「水(すい)」が「気(き)」の流れをさまたげるため、その「気(き)」を動かそうとしてくしゃみが出ます。
漢方薬「小青竜湯(しょうせいりゅうとう)」は、「水(すい)」によって冷えた体の部分を温めながら水分代謝を促すとともに、「気(き)」を動かして、鼻水(鼻汁)・くしゃみなどの鼻症状を抑える作用があります。眠くなる成分が入っていないので、仕事や学校で眠くなりたくない方にも適しています。水のような鼻水(鼻汁)や痰(たん)、くしゃみ、鼻づまり、咳などの症状があるとき、かぜやアレルギー性鼻炎などのときによく処方されます。また、花粉症の治療にも使われているほか、鼻炎、気管支炎、気管支喘息(ぜんそく)などにも用いられます。

漢方セラピー「漢方薬名解説」より引用

構成生薬と薬能

細辛(サイシン) 半夏(ハンゲ) 乾姜(カンキョウ) 五味子(ゴミシ) 甘草(カンゾウ) 桂皮(ケイヒ) 麻黄(マオウ) 芍薬(シャクヤク)

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