なぜ、今「漢方」なの?

あなたは「健康」ですか?

――健康ですか?

誰かにそう尋ねられたら、あなたはなんと言うでしょう。「とくに大病もしないし、まあまあかしら」と答えるかもしれません。もしかしたら、「ちょっと困った病気を抱えているの」という人もいるかもしれませんね。

大自然はたして、健康とは「病気ではない状態」を指すのでしょうか。21世紀の社会に生きる私たちは数々の悩みを抱えて生きています。仕事のプレッシャー、人間同士のトラブル、家庭問題、都会の公害。そのため、病気とまではいかなくとも、多かれ少なかれ心や体の不調に悩んでいるもの。これではとても「健康な状態」とはいえません。体中にエネルギーが満ちあふれ、生命のみずみずしさがみなぎっている――そんな健やかさを実感している人がはたしてどのくらいいるでしょう。

医療が進化したおかげで、日本人の平均寿命は世界のトップクラスとなりました。しかし、病気ひとつひとつを治療する薬は開発されても、体全体の健康に働きかける薬は生まれていません。ところが、漢方は体質そのものを改善する、大きな効果を持っています。

太古の昔から認められてきたその作用は、いまだ科学的に解明されてはいませんが、適切に使えば、驚くほどの効果を示すことが少なくありません。副作用が少ない点も大きな特徴といえるでしょう。また、ひとりひとりに合わせた処方がおこなわれるところも魅力です。

漢方は大自然から人間が受け継いだ知恵です。たとえばアフリカなどに見られる「象の墓場」。病気になった象たちが薬効成分を含む土を求めて集まるために、自然と墓場になるのだといわれています。ペットの犬や猫が調子の悪いとき、庭の草を食べるのも同じ。体によいことは、体自身が知っているのです。

体の声に耳を澄ませてみる――それが漢方の考えです。人間ひとりひとりの体をいわば小宇宙ととらえ、全体のバランスを保つことで不調を治してゆくのです。だからこそ、よりトータル、よりポジティブに健康をめざすことができるというわけ。古くて新しい知恵、「漢方」。あなたもその力を活用して、自分自身の自然治癒力に目覚めてみませんか。