東浦和耳鼻咽喉科 芝 恵美子先生

漢方医

東浦和耳鼻咽喉科

芝 恵美子(しば えみこ)先生

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生後一ヶ月の乳児から、ご高齢の方まで幅広い年齢層の方にいらっしゃっていただいています。東浦和は都心のベッドタウンである関係で、単身の方よりファミリーが多く、家族全員で受診されるケースが多いです。

‘患者様は自分の家族の一員’と考え、常に心を込めた診療を心がけています。

当院の特徴は、漢方治療を非常に大切にしており、漢方専門医の外来があります。また小児科医も併診しております。当地は医療モールで、内科・外科、眼科、皮膚科、歯科が敷地内にありますので、各科同時に受診できることは患者様にとって大きな利便性と安心感があるかと思います。

以前、自ら西洋薬を内服した際にアレルギーを起こし薬疹が出たため、漢方薬をかわりに内服したところ、副作用なく非常に効果があったため大変興味を持ちました。

漢方専門外来では、耳鼻科漢方だけでなく、漢方医学的な診察と診断のもと患者様の’証’に合わせて幅広い疾患の漢方治療をしております。
当院では、女性の冷え症の患者様が多いのですが、冷えがあると万病の元になります。冷えの治療は漢方薬の得意分野です。
耳鼻科領域の疾患では、花粉症を冷えという視点で治療しています。
一般に、花粉症には抗ヒスタミン薬がメインで処方されますが、抗ヒスタミン薬は身体を冷やしてしまいます。漢方薬は身体を温めるという、西洋薬とは違ったベクトルで治療が出来ます。花粉症の代表処方である小青竜湯は冷えに有効なのですが、更に温めることを意識して治療しています。例えば、お腹の冷えを伴う方には小青竜湯に六君子湯、補中益気湯、人参養栄湯、当帰四逆加呉茱萸生姜湯などを併用しています。血圧の上昇や動悸などに気をつける必要がありますが、麻黄附子細辛湯との併用も良く効きます。
高齢者には八味地黄丸を併用したりしています。八味地黄丸は女性の夜間の冷え、頻尿にはとても良く効きます。子供の夜尿症に抑肝散加陳皮半夏、滲出性中耳炎に補中益気湯、低気圧の頭痛に五苓散など、漢方が有効であった患者様の例はたくさんあります。
空咳には通常は、麦門冬湯が定石ですが、神秘湯を選択することも多いです。

漢方では、耳鳴り・めまい・難聴を水滞(すいたい)として捉えることができます。
水滞というのは身体に余分な水が溜まっていることを言います。
耳鳴り・めまい・難聴では首から上に水が溜まっていると認識します。
西洋薬のなかにも余分な水を除く薬もありますが、水を取り除きすぎてかえって脱水に偏ってしまうこともあり、投与を終了するタイミングを計るのが難しい時もあります。
漢方では、それよりもはるか以前から、耳鳴り・めまい・難聴は、身体(首から上)に余分な水が溜まっている疾患という認識があり、それを除く利水剤が処方されています。
利水剤の作用メカニズムについては近年の研究で、アクアポリンという細胞膜の水透過性を調節する水チャンネルに主に作用することが解明されました。体の中を動く水のスピードを利水剤が変えているのです。電解質のバランスを変えない利水作用が漢方薬にあるのは、こうした理由からと考えられます。漢方薬の作用機序を患者様にこのようにご説明すると納得して内服して頂けます。
実際の処方例ですが、めまいには主に半夏白朮天麻湯、苓桂朮甘湯、五苓散を、耳鳴りには釣藤散や抑肝散加陳皮半夏を、急性の難聴(突発性難聴など)には柴苓湯、加齢による難聴には八味地黄丸や六味丸などを処方しております。副作用も少なく、患者様の満足度が高い領域になります。

勿論です。漢方ではそういう状態を「梅核気」と呼びます。当院では電子スコープを使って喉の奥(喉頭)まで観察できますので、喉の状態の映像をオンタイムで患者様と一緒に見ることができます。喉の違和感がある時に多いのが、GERD(胃食道逆流症)ですが、その方の証に合わせて六君子湯、半夏厚朴湯、柴朴湯などを処方します。症状が強い場合、PPI(プロトンポンプインヒビター)と呼ばれる胃酸分泌を抑える薬を一緒に内服すると更に効果があります。

最近は、医療としてのアロマテラピー(メディカルアロマセラピー)の効果に大変関心があり、アロマは大好きです。自分や患者様のリラクゼーションやストレスケアのみならず、代替医療、補完医療としての様々な疾患に対する積極的な治療効果を期待しております。自然療法としてのアロマテラピーは漢方治療と非常に親和性があり、双方を組み合わせればさらに新しい治療効果が期待できると考えております。様々な角度から患者様の健康、QOLの向上を目指す統合医療の視点を大切にしております。
他には、美術鑑賞、語学研修などが好きなのですが、本当のところ仕事が一番の趣味なのかもしれません。毎日楽しく仕事をしているのが健康の秘訣でしょうか。

せっかく漢方で温めても普段の食生活で冷えては困りますので、患者様にも冷えの食養生を紹介しています。冷え予防のため、特に冬は温かいもの(例えば鍋物)をなるべく摂ることをお勧めします。根菜類もいいですね。柑橘系と夏の果物、夏野菜は体を冷やすので摂り過ぎないように…。コーヒーや緑茶は温かくても体を冷やしますので紅茶、ほうじ茶がいいですね。ヒート衣料の下着等をうまく利用するなど、着衣にも気を配ってみてはいかがでしょうか。
逆に暑い時期には、私はアイスクリームや冷たい飲み物などに偏らず、胡瓜や西瓜など、体の熱を冷ましてくれる食材を取り入れています。

地域に根ざし、ご家族で安心してかかれるクリニックを第一に目指して参ります。患者様のメンタルヘルス、女性心身医学、予防医学、アンチエイジング等に力を入れていきたいと思っております。そして今後益々日本は高齢化社会になっていきますので、認知症治療も含め、ご高齢の患者様の’こころとからだの健康’を目指し、漢方治療を中心として幅広くサポートさせていただきたいと思います。最後に、心と体は一つのものという’心身一如’の考えに基づき、漢方診療と共に耳鼻科心身医学領域の分野を更に深めていきたいと考えております。

先生の略歴ご紹介

芝 恵美子(しば えみこ)先生
東浦和耳鼻咽喉科 院長
防衛医科大学校卒

所属:
日本大学医学部内科学系統合和漢医薬学分野
医療法人山口病院(川越)
昭和大学薬学部臨床薬学講座

所属学会等:
日本東洋医学会
日本統合医療学会
日本耳鼻咽喉科学会
日本喉頭科学会
日本気管食道科学会
日本精神神経学会
日本臨床精神神経薬理学会
日本女性心身医学会
日本産業精神保健学会
日本不安障害学会
日本うつ病学会
日本老年精神医学会
日本認知症学会

 

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