仲野医院 仲野 義康先生

漢方医

仲野医院

仲野 義康(なかの よしやす)先生

  • ※全ての情報は掲載時のものです。
    現在の状況とは異なる場合があります。

私は、外科医で麻酔医であり、漢方医でもあります。漢方医としてまず大切にしていることは、その患者さんが症状を発するまでに至るまでの、前の段階…スタート時点に立ち返って診ることから始めます。

そういうことです。そこから治療が始まるのです。患者さんの訴えを聞いて、原因がどの時点にあったのか遡ります。患者さんが体調を崩した原因が10年前にあるといったこともあります。ですから、患者さんの生活について、これまでどのような暮らしぶりであったか等の生活内容を、食事をはじめさまざまな角度から良く聴くことから始まります。 そしてこれが基本で、受付のところにも書いてありますが、「やまいはみんなでなおすもの」という考えかたが大切です。医者はもちろんですが、まわりの家族の協力や、そしてなによりも「自分で治す!」という気持ちが大切です。地域の診療所ですから患者さんの生活が見えますが、大きな大学病院では、一人ひとりの患者さんの生活は見えないと思うのです。病気の原因は、患者さんの生活の中にこそあると考えます。

そういうことです。他にも家族構成をはじめ、ほんとうに患者さんのさまざまな情報から原因を探っていくのです。風邪をひいた場合でも、必ず日々の生活の中に原因が隠れているのです。風邪をひくきっかけが一週間・二週間前にあるのではないか?といったところから診るのです。

普通の状態では風邪をひきませんから、必ず過去に体調のバランスを崩す原因があるのです。健康状態では、病気になりませんから。

患者さんの生活内容をよく聴いた上で、根本の原因を探って治療しないと、病気は治りません。 ですが、その根本の原因を探す作業は簡単ではなく、困難を極めます。 患者さんの訴えから原因になるヒントを探るのですが、実際に患者さんが訴えていることよりも別なところに、重大な原因が潜んでいることがあるからです。 ですから、患者さんの生活内容について、あらゆる角度から調べなければなりません。 よくある問題は、例えば耳に症状が出ているとき、多くの場合は耳鼻咽喉科を受診すると思いますが、実はぜんぜん別のところに原因があって、本来受診するべき診療科ではないこともあるのです。 もし、その患者さんが他の診療所の診療科も受診していて、今出ている症状だけで、また別の診療所を受診してしまうようなことがあると、その原因を見落としてしまうことになってしまいかねないといった問題です。
いつものかかりつけの先生が診ていれば、今までの患者さんの経過・状態によって、適切な医療機関と連携をとって紹介できるのですが…患者さん自らの判断で医療機関を替えられてしまうと連携がとれなくなって、結果的には患者さんの病気を早く治すことができなくなり、患者さんにとってもよいことではなくなってしまうのです。 日々患者さんを診ている主治医の判断で、適切な医療機関と連携する場合は、とてもスムーズな治療になりますので、治療効果も高まります。私も患者さんの病状によっては、親身になって他の医療機関と連携しますので、なんでも相談して欲しいし、私を利用して欲しいですね。
素人判断が一番危険なのです。私がよくお話させていただくのは、患者さんがひとりの医者の技量を判断することは難しいということです。でも、いろいろお話させていただく中で、人間性といったことは分かると思うのです。まずは、信頼関係から築くことが大切ではないかと思っております。

そうです。それには、主治医と良好な関係を築いて、自分の病気についてもよく理解した上で、「自分で治そう!」といった気持ちが大切です。私どもは、病気を治すお手伝いをしているだけですから。

自分で考えることが重要ですね。自分で考えて生きてきた人は、私を上手に利用して病気を治していきます。病気にもその人の生き方が反映します。そういう意味においても、生活内容からその人を診て治療することに大きな意義があるのです。

きっかけは、大塚敬節先生が書いた「症候による漢方治療の実際」という漢方についての本に出会ったのが最初です。 当初は、実際に治療として学ぶ機会がなかったのですが、東京に来て、北里大学の麻酔科にペインクリニックを開設したときに、漢方を導入し、実際に使い始めました。当時の私は、西洋医学の臨床を6年経験していたのですが、西洋医学の限界を感じはじめておりました。
症状を結果として判断する西洋医学は、診断学なのです。かたや症状の原因を追究する漢方は、治療学なのです。その違いは、とても大きいと思いました。
その後は、いくつかの病院での臨床経験を経て開業したのですが、医師会などでも漢方に精通した松田邦夫先生(大塚敬節先生に東洋医学を師事)を招いて、勉強会やセミナーを通して、漢方への理解を深めるための活動をしてまいりました。

ひとことで言えば、「病気をしない人をつくること!」でしょうか。 「重い病気になってから診る」といった救急医学は廃れると思っています。交通事故などは仕方ありませんが…。

魚介類と野菜を中心とした食生活にしております。大事なのは、生きているものを食べて欲しいということです。例えば、植物などは生きております。水につけておいたりすると、芽が出てきたりしますよね。 ですから、野菜を多く採り入れた食事を心がけています。魚介類も鮮度が大切ですから、新鮮なものを野菜と一緒にバランスよく食べるようにしています。お肉も頻度を多く食べなければ問題ありません。 ただ、肉だけ食べるといったことはよくありませんので、お肉を食べるときは、新鮮な野菜も一緒に食べてバランスを考えることが大切です。
肉というのは、鮮度という点においてはとても問題があり、腸への影響が心配されます。近年大腸ガンが増えてきている原因の一因として考えられております。肉中心の食生活は見直したほうがよいでしょう。

ストレスとは、具体的にどんなものだと思いますか?

それがストレスですよね!そんなときは、「ええい!仕事なんだから、やってしまえ!」といった感じで受け止めてしまえば、あまりストレスに感じないと思いませんか? そのことから逃げると、ストレスは倍になってしまいます。でも向かって受け止めれば半分で済みます。向かっていくということは、それを受け止めて分析することになります。 どうしようかなぁ~??と考えることは、面白いことでもあるでしょう?

そうですよ!医療を趣味にしているんですから!
それから、在宅の患者さんを診ていて思うのですが、ボケ…いわゆる認知症の患者さんが、ある意味では幸せではないでしょうか。

だって、細かいことでいちいち悩まないでしょう。いつもニコニコしていて、どうでもいいことで悩まないでしょう。その笑顔で、周りもなんだか幸せな気持ちになるではありませんか。 私は患者さんを診ながら、患者さんから教えられました。食べることにしても、ほんとうに美味しそうに食べるのです。もちろん、世話をする方は大変なのですが。
でも、そういうふうに見守っていれば、介護するほうもイライラしないでやさしくなれるでしょう。

えっ!もう終わりなんですか?医療は趣味だから、ぜんぜん疲れてなんかいませんよ!

先生の略歴ご紹介

仲野医院
仲野 義康(なかの よしやす)先生

昭和14年横須賀生れ
昭和39年三重大学医学部卒業・三重大学病院胸部外科入局
その後、東京白十字病院・北里大学病院麻酔科・国立療養所神奈川病院、麻酔科医長・横浜桐峰会病院を経て、昭和60年仲野医院開業。
現在に至る。

自律神経免疫療法研究会

研究・発表:
2005/7 日本臨床環境医学会発表
当院における化学物質過敏症の治療経験

2005/7 日本東洋医学会山口県部会
当院における化学物質過敏症・電磁波過敏症治療について

2006/11 山口県スポーツ医科学研究会
加圧トレーニングによる膠原病の治療経験

 

※全ての情報は掲載時のものです。現在の状況とは異なる場合があります。