新井 勝(あらい まさる)先生
あらいクリニック 理事長、院長
昭和30年 秩父市出身
昭和49年 埼玉県立熊谷高校卒
昭和57年 広島大学医学部卒
小児科専門医、漢方専門医
昭和57年 広島大学医学部小児科
平成1年 千葉県あきば病院 副院長
平成4年 あらいクリニック 院長
※全ての情報は掲載時のものです。現在の状況とは異なる場合があります。
掲載:2006/06/01
あらいクリニック
新井 勝(あらい まさる)先生
本日は、よろしくお願い致します。
それにしても、秩父はいい環境ですね~!自然に恵まれていて、うらやましいです!
はは!そうですか~?ここにいるとあまり意識しませんが、都会から来るとそう感じるのかもしれませんね~。確かに、空気はおいしいですよ!
仕事を放り出して、ピクニックに行きたくなってしまいます…なんて言っている場合ではありませんね。では早速、漢方を使っての治療方針を教えていただけますか?
西洋医学ではわからない部分を、患者さんの訴えや症状に合わせて、漢方独特の治療によって、患者さんのQOLの向上に貢献するということですね。
先生のところでは、どのような患者さんを診ているのですか?
そうですね~…アレルギー、例えば花粉症や喘息、かゆみを伴うアトピーなどが多いですね。でも風邪とか、不妊症とか、悪性の病気とか、何でもありです。
西洋薬と漢方薬ですが、その違いを理解するのはなかなか難しいのですが。
西洋薬は病気を力で抑え込むというイメージでしょうか。一方漢方薬は免疫力を高める手助けをして、自然治癒力を促すというイメージですね。
漢方を飲むときですが、何か注意することはありますか?忙しいときは、ついペットボトルのお茶なんかで飲んでしまうのですが?
基本的にはお湯か水がいいですね。ほかにないときはペットボトルのお茶やジュースでも仕方ないですね。それから、飲む時間は原則的に空腹時ですが、飲めないときは食後でも寝る前でもいいと思います。私も漢方薬を洗面所に置いて、朝と夜の洗面の時に飲んでいます。
小さなお子さんの場合、何か注意することはありますか?
まず、最初から漢方は苦いという先入観を植え付けるようなことはしないでほしいと思います。「ねえ、このくすり苦いけど飲む?」って聞かれて、「うん、飲む。」なんていうお子さんは、多分いませんよね。
あとは、飲ませ方の工夫です。小さなお子さんほど、すんなり飲んでくれますね。ただ、1~2歳で薬に抵抗感を覚えてしまうと難しい場合もあります。ココア、ミルク、チョコレート、あんこ、海苔の佃煮、カレーなどに混ぜて飲ませるときもありますが、苦労しますよね。
それからお母さんには、漢方はお薬なので体質に合わない場合もありますとお伝えし、何か変化があればすぐに連れてくるようにお話します。さらに多くの漢方薬は西洋薬に比べて副作用の心配が少なくて、自然な治り方をするお薬だということを納得していただきながら処方しています。
先生は、どのようなきっかけで漢方医を志されたのでしょうか?
大学病院に勤めていたときに、重度障害の子供さんを外来で診ていたのですが、私が引継いだときは、西洋薬の副作用もあって寝たきりのような状態になってしまっていた患者さんがいました。
「どうしたらいいの?」と迷い、漢方なら毒にはならないだろうくらいの気持ちで試したところ、お子さんの顔色がみるみる良くなり、手足も温かくなって元気になっていくので、お母さんが大喜びされました。このような「これはすごいぞ!」という経験をしまして、漢方を追求し始めました。
それ以来、てんかんや重度障害のお子さんの漢方治療は私の得意分野でもあります。重度障害のお子さんに限らず、慢性の病気を持っている患者さんは西洋薬の長期治療が必要なので、どうしてもその副作用の管理が必要になります。それには漢方がとても役に立つと思っています。
てんかんの漢方治療についていえば、3つのポイントがあります。一つ目は、てんかん発作を止めるのは西洋薬である抗てんかん薬が主力ですが、漢方薬は、全身倦怠や肝障害など、西洋薬の副作用を軽減するということ。二つ目は、漢方薬で体力・抵抗力をつければ、風邪を引かなくなり、その結果発作を起こしにくくなること。三つ目は、漢方薬自体に抗てんかん薬としての働きがあることです。私が診ているてんかん患者さんは、ほとんどが西洋薬と漢方薬を併用しています。
そうしますと、漢方は大人になっても飲み続けるほうがいいのでしょうか?
そうですね。一般的に体質を改善して健康を維持する。または、病気を予防するなど、元気になるという意味での漢方の役割は大きいと思います。
でも~…先生、体質改善や病気の予防ですと薬局で買うイメージになってしまうのですが、値段のことを考えると医療機関で診ていただきたいのですが…
体調になんらかの変調があれば診察ということになりますので、保険が使えると思いますよ。薬局から直接購入するのであれば、漢方の知識のある薬剤師さんとよく相談して、自分の体質に合った漢方をすすめてもらうとよいでしょう。かかりつけの薬局を持つと安心ですよ。
「漢方が得意!」なかかりつけの薬局ですね!
ところで、ここからは、先生のプライベートをお聞きしたいです。お忙しい診療の中、先生ご自身のストレス解消法はなんですか?とかく先生方は、患者さんばかりに熱心で、ご自分の健康はおろそかになっているように想像しているのですが。
時間があるときは、ネットサーフィンをしています。それから、マラソンが趣味で年に何回かは全国の市民マラソン大会に参加しています。毎日仕事が9時~10時に終わりますが、帰ったら一息入れずにすぐ着替えて外に出るのがこつですね。一休みすると動く気がしなくなりますから…。そもそもダイエットの目的で始めたことですが、今では心身共に10才くらい若返ったような感じがしています。
ダイエット効果ですか~!
先生が飲んでいる漢方にも興味があるのですが?
普段は防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)を飲んでます。でも、それだけではだめですよ。食生活が大変重要です。現代人の食事は、カロリー過多の栄養不足なのが特徴です。やはり体の土台は、しっかりとした栄養バランスの取れた食事から作られると思います。不足がちな栄養分を補う意味ではサプリメントもいいですね。私も何種類か愛用しています。
最後に、これから先生が目指す医療についてお聞かせいただけますでしょうか?
これまでは、病気を治療する医療。その次は、病気を予防する医療でしたが、これからはその先に、より健康的で豊かな生活のための医療、つまり若返りの医療、アンチエイジング医学が来ると思っています。そのときに一つの大きな柱になるのが漢方薬であり東洋医学ですが、さらに美容や栄養や心理療法なども取り入れた医療を築いていきたいと思っています。自分自身がいつまでも元気でありたいですしね。
今日は、なんで先生が若々しいのかが、わかった気がします。ありがとうございました。
どういたしまして。ありがとうございました。
新井 勝(あらい まさる)先生
あらいクリニック 理事長、院長
昭和30年 秩父市出身
昭和49年 埼玉県立熊谷高校卒
昭和57年 広島大学医学部卒
小児科専門医、漢方専門医
昭和57年 広島大学医学部小児科
平成1年 千葉県あきば病院 副院長
平成4年 あらいクリニック 院長
※全ての情報は掲載時のものです。現在の状況とは異なる場合があります。
今回は、埼玉県秩父市に来ています。広大な自然が目の前いっぱいに広がり、このままピクニックに行きたい気分です。
つい数時間前まで、ビルばかりの都心にいたのが、うそのよう。やっぱり、自然はいいですね~。でも、仕事で来ているんですよね…さあ!取材!取材!
あらいクリニックにおじゃまします。