古賀駅前クリニック 川越先生

漢方医

古賀駅前クリニック

川越 宏文(かわごえ ひろふみ)先生

  • ※全ての情報は掲載時のものです。
    現在の状況とは異なる場合があります。

実は、私はこの病院での勤務は2度目なのです。今から12年前に、腎臓内科医として透析を主に担当していました。私が漢方薬を本格的に用いるようになったきっかけもその時なのです。

確かに、血液透析は様々な機器に囲まれて治療しておりましたので、主観的な要素の強い漢方治療はその対局にあるのかも知れません。しかし、患者様のお話をよく聞いてみるとその多くは数値の改善ではなく、いかに快適に透析ライフを過ごせるか、つまり不眠・かゆみ・空咳などの改善の方がより患者様のニーズが強いのではと考えておりました。例えば、痒みについては、薬剤師の岩下氏と協力して、レスタミンにメントールなどを配合して少し清涼感を出してみたり、麻酔薬の原末を入れて痛みを緩和しようと、塗り薬を手作りしてました。大変うれしいことに、苦労して作りだしたかゆみ止めが、久々に勤務する病院の透析室で今でも患者様に用いられていることです。

その一連の仕事の一つとして、空咳対策がありました。空咳は大変苦しいもので、特に透析中には本人だけでなく、周りの患者様にとっても、つらいものです。そこで、様々なうがい薬、鎮咳薬、去痰剤などを用いましたが、なかなかうまく行かず困っているところに、麦門冬湯(ばくもんどうとう)という漢方薬を知り、試してみたところ、これが嘘のように効きまして、正直、漢方のすごさに驚かされました。そして、さらに漢方の勉強をするために、代田文彦教授のいる東京女子医科大学附属東洋医学研究所に行きました。

お誘いを受けた時には、正直大変迷いました。大学での漢方教育や冷え症の研究をさらに発展させるため、メディカル・フィットネスという施設には大変興味がありました。恐らく、このような施設での漢方医学や代替医療については、全国に広がっていくと思われます。そういう意味では、当施設は健康増進・疾病予防の中での代替医療の役割を決めるという重要な任務を持っているものと考えられます。そこで、とりあえず思い切ってどんな研究ができる施設なのかを見極めようと思い、赴任することとしました。まだまだ研究は軌道に乗っていませんが、これからぼちぼちやっていこうと思います。

東京では、50人以上の患者様をほぼ毎日、10年間診察してきました。延べ人数では相当な数になると思います。その多くの症例が、他の医療機関で期待した答えの得られなかった方でしたことを考えると、貴重な経験を積めたと考えています。私はもともと腎臓内科でしたが、比較的手応えを感じていたのが、虚弱体質・アレルギー体質に対する治療であり、具体的にはアトピー性皮膚炎・喘息・花粉症、そして不妊症・月経困難症・更年期障害を初めとする婦人科疾患です。最高では43歳の初産の方もおられます。冷え症については私のメインテーマなのですが、漢方薬だけでなく、詳しい生活指導もしています。

漢方の世界には「未病」という言葉があります。この言葉は様々な解釈がなされているようです。私は一見健康そうに見える方が将来どの様な病気になりやすいかをきちんと予想して治療することも未病の一つと考えます。そのためには、患者様から十分お話をお伺いすることを大事にする外来にしていきたいものです。

先生の略歴ご紹介

川越 宏文(かわごえ ひろふみ)先生
※現在、ちぐさ東洋クリニック
昭和63年 久留米大学卒業

現職:
東京女子医科大学付属東洋医学研究所非常勤講師
(医)同心会古賀駅前クリニック 漢方外来担当

担当診療科:
総合診療
東洋医学(全科)
内科(腎臓)
医療相談

所属学会:
日本内科学会認定内科医
日本東洋医学会専門医・指導医
日本医学教育学会
日本透析医学会

 

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