アレルギー性鼻炎(花粉症)によい漢方薬Q&A

うっとうしい「アレルギー性鼻炎」を解消する漢方薬
春の気配が感じられる季節になると、話題に上るのが花粉症のこと。鼻水やくしゃみが止まらない、目がかゆいなど、重苦しい「アレルギー性鼻炎」も、適切な漢方処方で症状を改善することができます。
Q:01
Q:鼻水やくしゃみが止まりません
春の悩みの種が花粉症。1日中、鼻水やくしゃみが止まらず、つらくて気分まで落ち込んでしまいます。こうした症状に効く漢方薬があったら教えてください。

A:花粉症に代表される“冷え”の鼻炎には『小青竜湯』
春先になると、花粉症に代表されるように、アレルギー性鼻炎に悩まされる人が急増します。アレルギー性鼻炎とは、鼻腔粘膜が特定の物質に対して反応を起こし、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみ、充血などの症状を伴う鼻炎を指します。
人間は、細菌やウイルスが体内に侵入したときに「抗原抗体反応」を起こして体を守ろうとします。それが正常のレベルであれば、免疫として体を防御するのですが、過剰すぎるとアレルギー反応となり、体に害を及ぼすようになるのです。

漢方で考えるアレルギー性鼻炎は“冷え”“鼻づまり”“熱”と大きく3つに分類され、ご質問のような“冷え”の鼻炎は、春の花粉症シーズンに最も多く見られる症状です。水のような鼻水が気づかないうちに流れる、1日中くしゃみが止まらないといったように、体の中の水分が洪水のように激しく噴き出すことが特徴です。症状から見ても、体内の過剰な水分がその背景にあることを物語っているといえるでしょう。

このような“冷え”の鼻炎には、『小青竜湯』が適しています。この漢方薬は、(1)体を温める、(2)水分代謝をよくする、(3)発散作用によってアレルゲン(花粉)を除去する、という3つの働きによって、不快な鼻炎症状を改善します。また症状そのものを抑えるだけでなく、花粉症の背景にある冷えや水分代謝を調整することで、鼻アレルギーを起こしにくくします。

Q:02
Q:鼻づまり、目のかゆみがたまりません
姉はこの時期、鼻水やくしゃみは治まっても、鼻づまりだけは治らず苦しそうです。また弟は粘りけのある鼻汁に加えて、目がかゆくてたまらないと訴えています。2人の症状に適した漢方薬はありますか?

A:“鼻づまり”には『葛根湯加川キュウ辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)』、“熱”の鼻炎には『荊芥連翹湯』
お姉様のように、鼻炎症状の中でも特に“鼻づまり”を強く訴える人がいます。くしゃみや鼻水などの症状が治まっても、鼻づまりだけが残ってしまうことも多く、こうした症状には葛根湯加川キュウ辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)が効果的です。この薬は、葛根湯に川と辛夷という2つの生薬をプラスしたもので「つまった鼻を通す」ことを主な目的に作られた処方です。辛夷とはコブシのつぼみのことで、昔から鼻づまりの民間薬として使われてきました。

また、弟さんのようなアレルギー性鼻炎は、時間の経過とともに除々に症状が変化し、慢性化して治りづらくなることが多い症状です。サラサラした鼻水から粘りけのある濃い鼻汁に変わる、目が充血する、かゆくなる、口が渇くといった症状が現れます。このような症状は、体内の水分が熱を帯びて炎症を起こしていることを示しています。こうした“熱”の鼻炎には『荊芥連翹湯』を用います。この薬は特に上半身の炎症を鎮める働きに優れ、季節性の鼻炎だけでなく、蓄膿症や通年性の慢性鼻炎にもよく用いられています。


漢方ミニコーナー
*反応に差があるのはなぜ?*
アレルギー性鼻炎は、スギやヒノキ花粉などのように季節性のものと、ダニ、カビ、ハウスダスト(ほこり)など1年にわたって起こる通年性のものとがあります。同じ環境の中にいても、症状が出る人と、まったく無反応の人とがいますが、どこに両者の差があるのでしょうか。

アレルギー性鼻炎を起こす最も大きな原因は“体の中の過剰な水分のため”と漢方では考えられています。冷たい飲食物をとりすぎたり、過労やストレスが溜まったりすると胃腸の働きが衰え水分代謝が悪くなります。こうなると消化吸収も低下するので、代謝されない栄養水が体内に残留物として残るようになります。これらは病的な水分なので体の生理機能に影響を与え、肺の防衛力も低下するのです。体の中にいったん病的な水分が溜まると、水分代謝はなかなかよくなりません。そのために毎年この季節になるとアレルギー性鼻炎に悩まされるようになるのです。

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