冷え症によい漢方薬Q&A

手足や腰、全身の「冷え」に対応する漢方薬
冬は日増しに寒さが加わり、「冷え」に悩む人には厳しい季節です。女性に多いとされる冷え症ですが、症状に適した漢方薬を用いることで「冷え」を改善することができます。
Q:01
Q:冬場は手足の冷えがひどいです
冬場に限らず私は寒さに弱くて冷えやすく、冷房にも過敏に反応してしまいます。特にこの季節は手足の冷えがひどくて、しもやけができることもあり困っています。
また母は、体は冷えているのに顔がのぼせると、いつも嘆いています。私たちを悩ませる冷えに効果的な漢方薬があったら、ぜひ教えてください。

A:寒タイプは『当帰四逆加呉茱萸生姜湯』、冷えのぼせは『桂枝茯苓丸』
同じ環境の中にいても、特定の人だけが冷えを訴えることがあります。

このように普通の人は冷えを感じないような場所で、手足や腰、全身に冷えを感じる症状を「冷え症」といいます。寒さの厳しい時期に多くなる症状といえますが、冷え症は女性に圧倒的に多いのが特徴です。

まず最初のご質問は“寒タイプ”といって、冷えの中でも最も多い症状です。手足・腰など体の部分や末梢が冷える、冷房に弱い、冬は足が冷えて寝る時にも足温器が手放せない、しもやけになりやすい、といった症状がみられます。こうした冷えには『当帰四逆加呉茱萸生姜湯』が適しています。体が冷えやすい人の場合、手足に冷えを感じると、そこから冷たい血液が体の内部に逆流していきます。その結果、内臓も冷えて生理痛や腰痛が起こることもあります。この漢方薬は、手足など体の末梢を温めるとともに、体の内部にも働きかけ冷えによる諸症状を改善する効果があります。また服用を続けることで、徐々に冷えに対する抵抗力が高まります。

お母様の場合は“冷えのぼせタイプ”に属する冷えの症状です。冷え症は体の中の血液循環が悪くなって起こることがあります。こうした冷え症は、足腰は冷えているのに顔はのぼせる、といった症状が最大の特徴です。

そのほか、アザができやすい、足の静脈が浮きやすい、などの症状をともなうこともあります。このような冷え症には、末梢の血液循環障害を改善する働きのある『桂枝茯苓丸』が効果的です。

Q:02
Q:常に全身に冷えを感じ、排尿にも時間がかかります
今年75歳になる祖父は、常に全身に冷えを感じるそうで、排尿にも時間がかかると最近落ち込んでいます。
また、近日退院したばかりの会社の先輩は、疲れやすく体が芯から冷えて困っているとか。これらの症状に適した漢方薬はありますか?

A:虚弱タイプに『八味地黄丸』、気血不足タイプは『十全大補湯』
お祖父様の症状は “腎虚タイプ”の冷えで、全身が冷えることが特徴です。特に、年齢とともに体が冷えるようになった、排尿に時間がかかる、といった症状をともなうことが多く、そのような場合には『八味地黄丸』が適しています。この薬は、老化の原因である腎の働きを活発にしながら、老化にともなう冷えや排尿異常などを改善します。

先輩の場合は、全身が冷える“気血不足タイプ”の冷え症です。病後の体力低下や虚弱体質による冷えの症状には『十全大補湯』が効果的です。衰えた体に活力を与え滋養することで、倦怠疲労をともなう冷えの症状を改善します。また『八味地黄丸』か『十全大補湯』なのか迷った時には、薬剤師などに相談して決めましょう。


漢方ミニコーナー
*「実」の冷えと「虚」の冷え*
私たちの体の中には、陽気というエネルギーが全身をめぐっています。陽気は経絡という通路を通りながら、全身を温める働きをしています。ところが何かの原因で陽気が滞ったり不足したりすると、体を温めるエネルギーが不足して冷えが生じます。

冷えの原因は「実」の冷えと「虚」の冷えに分けられ、「実」の冷えは、経絡を流れる陽気が滞り、円滑に流れなくなって起こります。最も大きな原因は冷えそのもの。冷えを受けると体が収縮するだけでなく、経絡も収縮して陽気の流れが悪くなります。そのため栄養やエネルギー物質が体内に行き渡らなくなって冷えが生じるのです。「実」の冷えは手足や腰など“部分が冷える”ことが特徴です。

一方「虚」の冷えは、陽気そのものの不足によって起こります。原因は加齢による場合と、虚弱体質や体力低下による場合があります。「虚」の冷えは“全身が冷える”という特徴があります。

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