第七十六回 工藤内科 工藤 あき先生
ナビゲーター:奈美皆さんお久しぶりです!季節の変わり目で不調気味の奈美です。
工藤先生にインタビュー奈美: 本日のテーマは「免疫力」ということで、早速先生に漢方と免疫力の関係についてお話をお伺いしていきたいと思います! 先生: 漢方は、「体質を改善して自然治癒力を活性化すること」を得意としています。自分の体質に合った漢方を服用すると、自然治癒力の主力部隊である免疫システムが活性化して、免疫力アップが期待できるといえます。 奈美: 漢方の得意分野なのですね!免疫力アップに特に効果的な漢方はありますか? 先生: 漢方はそれぞれの体質などによって処方が変わるのですが、一般的に、「人参養栄湯(ニンジンヨウエイトウ)」と「補中益気湯(ホチュウエッキトウ)」が免役力アップに効果的だといわれています。服用することによって、免役システムの中で重要な役割を担っている「NK(ナチュラルキラー)細胞」の働きが向上して免疫力が改善するということが明らかになっています。 奈美: 「人参養栄湯」と「補中益気湯」では何か違いはあるのですか? 先生: 「人参養栄湯」と「補中益気湯」共通の効果としては、消化器系の働きを高めて、漢方でいう「気(※注)」である活力やエネルギーを補います。「人参養栄湯」はそれに加え、血液が酸素や栄養分を全身に運ぶ働きを助け、漢方でいう「血(※注)」を補い、栄養状態の改善効果も期待できます。 奈美: 食欲が落ちてしまっているので、漢方の力を借りてエネルギーを補いたいと思います!次に、免疫力を高める食事のポイントについて教えてください。 先生: 免疫力を高める食事のポイントは、腸内環境を改善する食材をとるよう心掛けることです!腸には、全身の免疫細胞の約7割が集まっているといわれていて、この免疫細胞を活性化するためには、腸内細菌の数を増やし、バランスを整えることが重要です。 奈美: 全身の7割の免疫細胞が腸に集中しているなんて、驚きました!!腸内環境を改善するためには、何をしたら良いのでしょうか? 先生:
奈美: 毎日の食事に発酵食品を取り入れてみようと思います!継続することが大切なのですね!発酵食品以外に、おすすめの食材はありますか? 先生: 免疫力アップに最適な食材とおすすめの食べ方を紹介します! 奈美: どれも漢方の生薬としても使われているのですね!!おすすめの食べ方がどれも美味しそうで、食事を楽しみながら免疫力を高めていけるのは嬉しいですね。先生は日々の食事で気をつけていらっしゃることはありますか? 先生: 和食を中心に、旬のもの、薄味を心掛けています。 奈美: 旬の食べ物は素材そのものの味が濃く、栄養価が高いと聞いたことがあります。また、新型コロナウイルスの影響で自粛生活が続き、お花見や海水浴など季節のイベントができなかった方も多いと思うので、旬の食べ物を食べて少しでも季節を感じられたら良いですよね! 先生: 最後に、私たちの身体の免疫システムで重要な役割を果たしている「NK(ナチュラルキラー)細胞」の弱点について、お話させてください。「NK(ナチュラルキラー)細胞」は、ストレスに弱く、強いストレスがかかり続けてしまうと、働きが悪くなるといわれています。 奈美: ストレスは万病の元ともいいますよね・・・笑うことは、ストレス発散と免疫力アップ、一石二鳥の効果があるのですね!!最後に、先生のモットーや、今後目指す医療について、お伺いできますでしょうか。 先生: 私のモットーは「病気をみる」のではなく「1人の人間として患者さんをみる」 です。総合的に患者様をみることを、いつも意識して日々の診療に励んでいます。西洋医学と東洋医学をあわせた統合医療・ハイブリッドな医療を提供していきたいと思っています。 奈美: 本日はお忙しいところ、ありがとうございました!大変勉強になりました! 注※:インタビュー中に出てきました漢方で用いられる「気」「血」というワードについては、漢方ナビ内「からだを作る三要素 気・血・水」をご確認ください。 今回は、新型コロナウイルス感染拡大にともなう特別企画として、NHK『ひるまえほっと』、フジテレビ『ホンマでっか!?TV』などメディアにも多くご出演中の工藤 あき先生に、免疫力アップのポイントを教えていただきました。すぐに日常生活に取り入れられるようなものばかりでしたので、私も免疫力アップのために、まずは食事から見直してみようと思います!! ■今回の取材先工藤内科
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