第七十一回 札幌 いそべ頭痛・もの忘れクリニック 磯部 千明先生

略歴

磯部 千明先生写真

院長: 磯部 千明(いそべ ちあき)先生

1969年 北海道生まれ

1996年 岩手医科大学 医学部卒業、岩手医科大学 神経内科入局。
2000年 同大学院(神経内科(主科目:薬理学))卒業(医学博士)、岩手医科大学医学部付属病院 神経内科助手
2001年 盛岡市立病院 神経内科医長
2005年 千歳第一病院 神経内科部長
2006年から同院で「頭痛外来」、2009年から「もの忘れ外来」を開設
2011年4月 札幌トロイカ病院 神経内科の「頭痛外来」・「もの忘れ外来」に勤務
2012年4月 札幌宮の沢脳神経外科病院「頭痛外来」・「もの忘れ外来」に勤務
2014年4月 札幌東徳洲会病院 脳神経内科部長 専門外来「頭痛外来」・「もの忘れ外来」に勤務
2016年4月から『札幌 いそべ頭痛・もの忘れクリニック』(脳神経内科・リハビリテーション科) 院長
所属学会・
認定・資格:
医学博士、日本神経学会専門医、日本神経学会指導医、日本脳卒中学会専門医、日本頭痛学会専門医、日本頭痛学会指導医、日本認知症学会専門医、日本認知症学会指導医、日本内科学会認定内科医、日本糖尿病協会療養指導医、身体障害者指定医、指定難病認定医、臨床研修指導医、ボトックス治療免許、t-PA治療免許、救急救命BLS・ACLS講習受講医、認知症サポート医(厚労省)、HMS-Jポストテスト合格、日本東洋医学会会員

ナビゲーター:奈美

皆さん!お元気ですか!?
今回は、北海道の札幌からお届けしま〜す!
札幌駅から地下鉄東豊線・新道東駅からすぐにあります「札幌 いそべ頭痛・もの忘れクリニック」へ伺います。その院名からも想像できますように、“頭痛”や“もの忘れ”に関しての治療に力を入れているのが伺えます。私も頭痛持ちなので、とても興味があります。
それでは、早速、取材開始です!!

札幌 いそべ頭痛・もの忘れクリニック写真


磯部先生にインタビュー

奈美:

新道東駅1番出口から1分ですし、それに、とてもわかりやすい院名ですよね!
“頭痛”や“もの忘れ”に力を入れて治療されているのですね!

先生:

神経内科分野は、昔は難病の研究に主眼をおいた‘希少疾患内科’と定義された時代がありました。ところが近年は、「頭痛」・「認知症」・「パーキンソン病」・「脳卒中」・「てんかん」を代表とした、益々増加する高頻度な疾患における医療分野で重要な役割を果たす診療科です。特にわが国の4000万人もが苦しみ健康を害している頭痛と、世界一の長寿国であるわが国において増加する認知症に力を入れることを信念としたクリニック名称としました。
病院では‘医学(病気)中心’であるのに対し、複数病気をもった‘人を中心’(その人らしさを追求するパーソンセンターケア)にすえた診療をするために、独立することを決断しました。

当クリニックでは、健康寿命を短縮させ人生を破壊するような頭痛、誰がなってもおかしくない最も身近な疾患である認知症、国民病である脳卒中、高齢化で益々増えるパーキンソン病、生活支障度の高いてんかんを、五大疾患領域として治療しております。

奈美:

先生が、診療で心がけていることはなんでしょうか?

先生:

地域に根差し、地域のさまざまな方々(小児から生産年齢層、そして高齢者まで)の健康寿命増進(頭痛体操、認知・運動リハビリ、もの忘れ相談)に全力を挙げるとともに、ご本人の意思を尊重し住み慣れた地域と環境で暮らし、元気で活躍し続ける長寿社会の実現を目指しています。
また、脳疾患の早期診断と適時な治療・対応、および、医療と介護との有機的で切れ目のない循環型のケアにも全力を挙げて取り組んでおります。

MRI写真

写真:MRI

認知症の予備軍ともいえる“まだら”もの忘れの原因となる虚血性白質病変・無症候性(かくれ)脳梗塞を見つけることや新しいことを覚える場所(海馬周囲)の面積を測り、萎縮の程度を調べることができ、認知症の早期診断やその後の予防に役立てています。

奈美:

漢方薬を使っての治療においては、どのようなことに配慮されているのでしょうか? 西洋薬との違いなどについても教えて下さい。

先生:

西洋医学では、診断基準を満たし、そのガイドラインに準じて診療を行うと、概ね(8割以上)は、満足の行く治療が出来ることが多いことは、周知の事実かと思います。一方、たとえ西洋医学の疾患として診断する病気がなかったとしても、「健康」といえない人が多くいらっしゃることも実感しておりました。そこで、当クリニックの理念である病気(医学)中心ではなく、その人中心(パーソンセンター)の診療をする上において、その人の治癒能力を高める、減退している機能を補うという点において、漢方医療は優れていると考えます。また、検査に偏重する傾向のある西洋医学に対して、漢方診察は、患者さんの身体全体の症状を受け止めることにおいて、優れた診察法であり、また、診察される患者さん自体も、症状を自覚しやすく、医師と患者とのクロストークが、診療満足度を上げることにつながると考えています。注意点は、西洋医学を極端に否定したり、その反動として漢方医療に過度な期待を持ちすぎることによって、西洋と東洋が打ち消されてしまうことにあるかと思います。

奈美:

それぞれの特徴を活かしての治療が、大切なのですね!

先生:

脳神経系疾患の外来(頭痛外来・もの忘れ外来)を行っておりますと、たとえ、病気は安定していても、患者さんは、いや応なしに、西洋医学では、診断がつかない、治療法のない、治療法があっても多剤になってしまう等、様々な問題、複数の説明がつかない症状を訴えてきます。この場合、たとえ、診断に行き着かなくとも、髄証診断により治療できるのですが、漢方の診察は、その受け皿になりますし、患者さんもご自身の症状を分かってもらえた満足が得られやすいと思います。さらに、患者さんの主訴以外の症状(バランスの悪さ)から治療していくと、最終的に主訴が改善することがあり、患者さんにお喜びいただけることが多々あります。患者さんと医師とがともに驚くことも少なくありません。

奈美:

様々な角度から治療しているのですね!
これなら、患者さんにとっても安心ではないでしょうか。

先生:

そうですね。
例えば、下記(からだ相談【Q&A】頭痛編-医師が回答- ドクターズガイドから転記)は、頭痛患者さんとの【Q&A】で私が回答したものですが、参考になると思いますのでご覧ください。

■性別:女性、年齢:47歳
いつから頭痛がはじまったか:不明

Q:私は若い頃から冷え性で、手足の末端がいつも冷たく、肩も凝っています。使い捨てカイロを体に貼って、ヒートテック(下着)を着てパートにでかけますが、たまに頭痛も起こります。冷えと頭痛は関係あるのでしょうか?別の病気の可能性もありますか?

A:元々お持ちの片頭痛の増加により痛みの頻度が増え、慢性化してきますと痛みそのものが交感神経(活動する神経:末梢から中枢により多く血液を送り活動する状態にする)機能を亢進させ、手足の末梢動脈を狭小化させ毛細血管の循環が不良になりやすくなります。それにつれて、頚・肩・腕が血行不良になり疲労・痛み物質(乳酸など)が溜まりやすく、頚肩腕症候群(肩や肩甲周囲の筋肉痛)も併発しやすくなります。冷え性になりますと、布団に入っても手足が冷えて眠れない・身体は冷えていないのに、手足や下半身が冷える・寝汗をかく・手足がむくむなどして、朝にすっきり疲れが取れず、脳の“低エネルギー代謝状態”となり、朝の空腹(血糖低下)では、栄養を取り込むため脳の血管が拡張してしまい、ズキンと拍動性頭痛が起きやすくなります。あなたの年齢の女性の場合には、女性ホルモンが減り、月経周期や出血量で不純になるなど更年期症状(手足の冷え・動悸・顔の火照り)も増えることも経験しますが、いかがでしょうか?だとしますと、血管内皮を守り、血管を弛緩させたりする女性ホルモン(エストロジェン)が低下したことにより、さらに、血管は収縮しやすくなっている可能性もあります。あなたの場合には、片頭痛の代表的漢方である「呉茱萸湯」を基本に置き、冷えがさらに強かったので「当帰四逆加呉茱萸生姜湯」にしてみましたが、効果不十分でありました。頭痛ダイアリーで朝に上半身に神経痛筋肉痛が強い朝、起床時に「葛根湯」、月経前後(二日前か前日)「桂枝茯苓丸」投与したところ著明な改善を認めました。慢性頭痛ガイドライン2013において漢方治療は『グレードB』と有効性が認められています。実際はそれ以上に有効性が高いことも少なくありません。

奈美:

【Q&A】で見てみますと、とてもわかりやすいですね!
ここまで丁寧に教えていただけると、患者さん自身も治療に前向きに取り組む気持ちになりますね!
ところで、診療でお忙しい中、先生ご自身の健康法・ストレス解消は、どうされているのですか?

先生:

自分自身が、片頭痛持ちでして、人混みが苦手で乗り物酔いがあります。光・臭い過敏があり、体動で増悪する繰り返す拍動性頭痛と悪心があります。冷えとめまいもあります。知り合いの先生に診てもらって、呉茱萸湯を処方してもらっています。健康法は、自分の髄証に合わせて漢方薬を服用することでしょうかね。ストレス解消法は、自然(森林や池の近く)の中に身を置き、エッセン(食事)すること、自宅では、クラシック音楽を聴きながら指揮することなどですね。

奈美:

好きな食べ物や、食事で気をつけていることはありますか?

先生:

好きな食べ物は、大学時代と若い医師時代を過ごした第二の故郷の盛岡での、盛岡じゃじゃ麺・盛岡冷麺、札幌 味の三平の塩ラーメン・札幌 純連のみそラーメンでしょうか?ラーメンの汁(スープ)は、我慢して少ししかいただきません。
食事で気を付けていることは、急に血糖を上げないこと(中性脂肪に変わってしまう、下がるときに片頭痛が増える)かと思います。冷えや頭痛およびアトピーを勉強して、思っていたより、パン(小麦)が、体調に悪いことを認識するようになりました。

奈美:

私も先生と同じです!ラーメンなどの麺類が大好きです!それに頭痛持ち……
先生のお話は、とても参考になります。私も気を付けないとです!
最後に、先生がこれから目指されます医療についてお聞かせ下さい。

先生:

世界保健機関(WHO)の健康の定義にあるように、病気がないことが、必ずしも健康とは限らないと思っております。精神がエネルギーに満ち安定している、スピリチュアルな感謝に満ち、今、自分が幸せであることに気づいている、社会的に、良好な人間関係・毎日不安のない経済、体が病気なく活動的であることが重要です。全ての国民が健康寿命を延ばすための医療であってほしいと思っています。たとえ、完全には治らない病気があろうとも、症状を改善し、生活機能を向上させ、元気に豊かな活力をもって、住み慣れた地域で活躍し続ける長寿社会になっていくように全力をあげたいと思っております。

奈美:

先生の今後益々のご活躍に期待しています!
本日は診療のお忙しい中、ありがとうございました。


取材後記

頭痛に悩まされている方にとって今回の先生のお話は、とても参考になったのではないでしょうか!【Q&A】も紹介いただき、とてもわかりやすかったですよね!
健康寿命増進に力を入れ、地域医療を真剣に考えている先生の姿勢・熱い情熱が、ひしひしと伝わってきました。とても話しやすく気さくな先生で、取材時間が、あっという間に過ぎてしまいました!

■今回の取材先

札幌 いそべ頭痛・もの忘れクリニック
〒007-0836 札幌市東区北36条東15丁目1-20
TEL:011-753-6000
URL:http://www.isobeclinic.jp/

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    現在の状況とは異なる場合がありますので予めご了承ください。

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