第四十四回 くみこアレルギークリニック 向田 公美子先生


略歴
院長: 向田 公美子(むかいだ くみこ)
略歴: H6 三重大学医学部卒
京都大学医学部大学院卒業、博士号を取得
京都大学医学部麻酔科学講座にて麻酔研修
光陽生協病院(福井市)、てらのうち診療所(京都市上京区)にて食物アレルギー、アトピー性皮膚炎の診療に従事

現在、滋賀県小児医療センターアレルギー科にて
"食物アレルギー外来"を担当(木曜午後)
くみこアレルギークリニック 向田 公美子先生



ナビゲーター:奈美


本日は、京都市左京区にあります「くみこアレルギークリニック」に伺います。院名からもお分かりのように、アレルギー疾患を得意としているクリニックです。アレルギー疾患は、とても身近な問題だと思います。どんなお話を伺えるのか、とても楽しみです!!

くみこアレルギークリニック



向田 公美子先生にインタビュー
とても落ち着いた雰囲気のあるクリニックですね!あまり、病院という感じがしませんね。
先生が、ここに開院された理由を教えていただけますか?

先生:

自分の居住する地域でもあり、地下鉄などの交通の便がよいこと。京都駅から地下鉄で20分以内で来ることが出来ますので、この場所に開院しました。他府県の患者さんもこられます。
主にどのような患者さんを診られているのでしょうか?

先生:

小児アレルギー、漢方が専門なので、下は0歳から上は80歳以上まで幅広く診ています。大人の漢方治療希望の方は、40代の更年期前の方が多いように感じます。自分と同年代の方は、子供、家庭の話など医療以外の話でも盛り上がります。

取材前は、いつも緊張してしまうのですが、こうしてお話していても、なんだかほっとするような…心地よさを感じます。私は病院で血圧を計ると、いつも高めに出る傾向にあるのですが、先生なら緊張しないので、大丈夫かも…?医療以外の話で盛り上がるのが、分かるような気がします。
ところで、先生がご専門のアレルギーの治療は、どのような感じなのでしょうか?

先生:

例えば子供さんの場合は、食物アレルギーの関与するアトピー性皮膚炎、除去食指導、栄養指導、外来食物負荷試験などを行っています。
アナフィラキシーの危険性のある子供は、自分が木曜午後に外来に行っている滋賀県小児保健医療センターで、入院での食物負荷試験を行っています。漢方治療も希望される方には、小児でも飲みやすいものから服用していただき、改善しています。
大人の方の漢方療法としては、主に更年期障害、肩こり、冷え性、便秘など、病院にいくほどでもないけれど、西洋薬ではなかなか対処しにくい疾患を未病のうちに改善していただいています。これらの疾患の漢方療法希望の患者さんは、ほとんど9割程度女性です。アトピー性皮膚炎の方は、男女比半分くらいです。
とてもきめ細やかな配慮をされているのですね。アレルギーって、ちょっとしたことが大事に至ることもあると伺いますし…特に診療で心がけていることは、なんでしょうか?

先生:

患者さんとの対話です。漢方の処方には、その人の全部を受け止めるという心構えが必要だと思っています。
そういう先生だと、患者さんも病気と闘う勇気を持てると思います!
漢方を使っての治療について、もう少しお聞かせ下さい。

先生:

前述しましたが、やはり未病を治すというところでしょうか。西洋薬と違い、臓器別ではなく、その人の全部を見て、バランスをとりながら治療していきます。
たとえば、アトピー性皮膚炎の方にはただ単に、皮膚のかゆみをとるだけではなく、腸や肝臓、血液すべての不調を治していく漢方薬を処方します。もちろん、副作用もありますので、定期的に血液検査も行わなければなりません。
漢方医を志したのには、何かきっかけがあったのですか?

先生:

自分の首のアトピーの痕をときどき患者さんにもお見せするのですが、私は重症アトピー患者でした。かゆくてお風呂にも入れず、水シャワーだけですごしたときもあるくらいです。
それが、たまたまあるドクターから勧められた"温清飲”という漢方を1ヶ月服用しただけで治ってしまいました。一度悪循環を断ち切れば、その後はたまに痒くなっても頓服だけでコントロールしています。それをきっかけに勉強を始めました。
先生ご自身の体験からなのですね。でも、漢方ってすごいですね!
治療した患者さんで、何かエピソードはありますか?

先生:

自分での体験に加えて、精神的な面においてもかなり効果があるということに驚いたことがあります。
異臭がすると訴えられてこられた患者さんで、家の中すべてのものが洗剤のにおいがするといわれ、タオルなども持ってこられて、私もにおいをかがせていただいたのですが、なんにも私にはわかりませんでした。のどのつまりを訴えられたので試しに"半夏厚朴湯”を呑んでいただいたら、3日で治ってしまったというエピソードが一番印象深いです。
今、アメリカでも漢方でのアレルギー治療薬を開発中であるといううわさも、先日のアメリカのアレルギー学会で聞いて来ました。

アメリカでも注目されているってことなんですね!
ところで、診療でご多忙な中、先生自身のストレス解消は、どのようにされているのでしょうか?

先生:

漢方の講習会に休みの日に行くことが楽しみです。日常の診療でどのように使おうかと、講習会の帰りはいつもわくわくしています。
あとは、なんといっても旅行です。うちのクリニックは予約制なので、思い切って休みは取るようにしています。最近は、リゾートに行くことが多くなりました。学生のころは、バックパックを背負って、メキシコや東ヨーロッパなどの一泊500円くらいの宿を泊まり歩いて、旅をするのが趣味でした。医者になってからは、ベトナムやネパールで医療協力などもしていました。

わ〜!先生は、アドベンチャーなところがあるんですね!私も学生時代に、国内ですが、目的を決めない、ぶらり旅をしたりしていました。当日宿がない!なんてことも…それはそれで、新しい発見があったりして、楽しいんですけどね!
他に、好きな食べ物や食事で気をつけていることは、何かありますか?

先生:

特に好き嫌いはないのですが、化学調味料は舌がおかしくなるのでとらないようにしています。外食で使ってあるとすぐわかるようになりました。
冷え性なので、体があたたまる物をとるようにしています。冬は、煮込み料理が多いですし、朝ごはんでも野菜スープをかならず作るようにしています。
あと、クリニックで美容にも力を入れていますので、自分でも漢方で中からお肌をきれいにして、外からは、しみ、しわに有効なピーリングを行い、普段のスキンケアにビタミンC誘導体ローションのイオン導入、ハイドロキノンクリームを使っています。すべて、併設のメディカルエステで行うことが出来ます。
最後に、これから目指される医療についてお聞かせ下さい。

先生:

私たち日本の医者は、西洋医学しか医学部で習わないので、なかなか漢方が浸透しにくいというデメリットがあります。しかし、アレルギーをやっていると、西洋医学もほとんど限界に来ているように感じますし、これからは臓器別ではなく、精神面も含めて、全人的に診ていく漢方が発展すると信じています。
患者さんに同調しながらも引きずられてしまわず、的確な診断、治療(弁証論治)ができる漢方医になりたいと思っています。
柔軟でありながらも的確な医療は、患者さんの側にも安心感を与えることになると思います。本日は、ありがとうございました。


取材後記

取材をしていて、とても心地よい気持ちになりました。先生のお人柄によるものだと思います。
そして、アレルギーの治療が、いかにきめ細やかな配慮のもと行われているのかも垣間見たような気がします。

■今回の取材先
くみこアレルギークリニック
住所:〒606-0847 京都市左京区下鴨南野々神町2-9
TEL:075-712-8615
URL:http://www.kumiko-clinic.jp/

※本文内の情報等は掲載時のものです。
  現在の状況とは異なる場合がありますので予めご了承ください。


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