第二十四回 大阪労災病院 山田 義夫先生 梅沢医院 高津 尚子先生


略歴
大阪労災病院 山田 義夫先生 梅沢医院 高津 尚子先生
氏名: 山田 義夫(やまだ よしお)
大阪労災病院院長
略歴:
昭和16年11月23日 滋賀県に生まれ
昭和41年3月 大阪大学医学部卒業
昭和42年4月 大阪大学医学部附属病院第一内科
昭和56年4月 大阪労災病院第3内科部長
昭和58年4月 大阪労災病院循環器内科部長
昭和62年4月 大阪大学医学部非常勤講師
平成2年1月 大阪労災病院内科部長、臨床検査科部長
平成3年4月 大阪労災病院副院長、内科部長
平成7年4月 大阪労災病院健診センター所長(兼務)
平成7年4月〜平成8年3月 大阪労災病院院長代理
平成10年7月 大阪大学医学部 臨床教授
平成13年4月 大阪労災病院勤労者予防医療センター所長(兼務)
平成16年4月 大阪労災病院 院長
   
平成18年4月 労働者健康福祉機構 医監
専攻:
循環器病学
評議員: 日本成人病学会、日本職業・災害医学会(理事)
日本内科学会近畿地方会、日本循環器学会近畿地方会
日本循環器学会: 正会員代表
代議員: 日本老年医学会、日本産業衛生学会
所属学会: 日本内科学会  認定内科医 内科指導医
日本循環器学会 循環器専門医 循環器指導医
日本超音波学会 超音波専門医 超音波指導医
日本老年医学会 指導医
日本医師会認定産業医
日本病院会   人間ドック認定指定医
FJCC(Fellow of the Japanese College of Cardiology)
氏名:

高津 尚子(たかつ ひさこ)
梅沢医院院長

略歴:
1958年 大阪府堺市生まれ
1983年 近畿大学医学部(4期)卒業
所属学会:

日本心身医学界認定医 日本アロマセラピー学会認定医
日本内科学会 日本東洋医学会
日本代替・相補・伝統医療連合会議(JACT)
日本ホリスティック医学協会
日本波動医学協会
こども心身医療研究所非常勤医師
堺市医師会内科医会 学術担当理事


ナビゲーター:奈美

今回は夏休み特別企画(番外編)として、大阪労災病院のアロマ外来を紹介します。代替医療としてのアロマを、西洋医学と代替医療をトータルで考える統合医療として目指す取り組みは、家事に育児に仕事にと、忙しい現代女性には、とってもありがたいですね!

全国でもまだ珍しいアロマを取り入れた専門外来をオープンした、大阪府堺市にあります大阪労災病院を取材しました。こちらでは、心療内科の専門医の先生にアロマセラピーの香りを使って診て頂けるということです。癒しとして効果のあるアロマを、病院においても西洋医学の治療ではうめられない部分に使えないか…という院長先生の発想からはじまりました。ストレス社会で生活している現代人にとっては、大変ありがたい試みではないでしょうか。ですが、けっこう思い切ったチャレンジのようにも思われ…そのあたりについても、お話を伺ってきました。

大阪労災病院 外観


山田先生・高津先生にインタビュー
  最近アロマ人気が高まっておりますが、病院でアロマというのは、なんだか不思議な感じがするのですが…アロマ外来を始めた目的をお聞かせ頂けますでしょうか。

山田院長: 当院でも、がん・高血圧・糖尿病など、さまざまな病気で苦しんでいる患者さんを治療しておりますが、やはり大切なことは、心の問題ではないかと思うのです。昔から「病は気から」という言葉がありますよね。かなりの部分は、この心の持ち方次第によって変わるのではないかと思うのです。頭が痛い、お腹が痛い、痺れる…など痛みもさまざまありますが、同じ病気であっても、痛みの感じ方は人それぞれに違います。がんが進行した患者さんでも、激しく痛みを訴える人もおりますし、薬を使わなくても、ほとんど痛みを訴えない人もおります。社会的な背景が心に大きく影響すると言われています。同時に、現代におけるさまざまな病気も心の作用がとても大きいように思います。ですから、その病気を治す場所である病院のイメージにしても、昔ながらのクレゾールの匂いがして暗いというのでは、心が沈んでしまいますよね。けっして、ホテルのように豪華にという必要はないと思いますが、明るくて、清潔感がある病院は、患者さんも安心して治療に専念できると思うのです。そういう病院作りが大切ではないでしょうか。病気の治療・診断に対しての高度な治療機器や、確かな診断技術は当然のこととして、やはり、忘れてはいけないことは、心の持ち方だと思うのです。各医療機関でも待合室や廊下に絵を飾るとか、心が落ち着く音楽を流すとか、リラックスルームで待ち時間を過ごしてもらうなどなど、いろいろ講じられているようですが、そんな中でも、香りというのは、とても心に癒しを与えると思います。いい香りは気分も良くなりますし、安らぎますよね。目で見る、耳で聞く、香りをかぐなどの要素は、人の癒しに大変重要だと思います。その点アロマはピッタリではないでしょうか。まだまだ、香りの分野を取り入れている医療機関は少ないと思います。ちょうど、何か新しい試みが出来ないかと考えているときに、高津先生からお話を頂きまして、アロマ外来をスタートしたのです。

確かに、町の病院でアロマ外来というのは聞きませんね。ところで、アロマ外来では、どのようなことをするのでしょうか?

高津先生: 女性が働くというのは、外で働く以外に家事・育児ももちろん含まれます。忙しく生活している中の、つらい症状を、病院で検査をしてもデータで異常ない場合には、西洋医学的な治療の対象にはなりにくいのですが、この外来では、そのような方も対象になります。まず、お話をじっくりと伺わせて頂きます。心に溜め込んでいるものを解き放つことも大切だからです。話を伺いながら、香りでもリラックスして頂きます。お好きな香りを選んで頂いて、アロマリラックスルームにおいて身体の疲れを癒すために、音楽や心地よい振動を与える、リラクゼーションチェアーを取り入れ、ゆったりとした時間を過ごして頂いております。

希望すれば、すぐに診て頂けるのでしょうか?

山田院長: いえ、高津先生は自院での診療をお持ちですので、診察日は、月に1回第2木曜日の14時〜16時30分までで、完全予約制になっております。
高津先生:

この外来での診察を通して、器質的疾患があるような場合には、適切な診療科を紹介します。私では香りの専門科であるアロマセラピストの様にいきませんが、医者でアロマセラピーをしている者として、また、心療内科医として治療にあたるという意義は大きいと思います。治療現場では日本アロマセラピー学会が認定した医学的な根拠に基づいたケモタイプの精油を使っているという点も強調したいところです。
代替医療としてのアロマですが、西洋医学と代替医療をトータルで考える統合医療を目指したいと思います。医療現場の最前線で活躍される看護師さんに、もっとアロマの良さや効果を知って頂きたいと願っています。


西洋医学を修得された先生に診て頂けるのは、患者の立場としては確かに安心ですね。ですが、新しい試みとして、立上げにはいろいろとご苦労もあったと思いますが、この外来にかける意気込みをお聞かせ頂けますでしょうか?

山田院長: アロマ外来は、まだ立ち上がったばかりですので、どうなるかは分かりません。ですが、今の時代に必要なチャレンジだと思っております。
高津先生:

立上げのため準備に関わった方達には、アロマの香りに触れながら楽しんでいただけたと思っています。(笑)
みんなで楽しみながら、夢を追いかけている感じです。

山田院長: 看護師さん達に体験して頂き、興味を持ってもらい、勉強して、そして患者さんにお薦めできるようになればいいですね。まだまだ、いい香りだからと飛びついてしまう感じですが、これからは、本当にひとりひとりに合ったものを調合する。または、効果をちゃんと見ていくということが大切だと思います。その上で、評価というのが重要になるのではないでしょうか?

これからのアロマ外来が果たす役割は、大きいですね。

山田院長: 病気の人もそうでない人も、多くの方達が心にストレスや悩みを抱えて生きています。多くは、それが病気のもとになっている…または、その病気がもとで心の問題を抱えている。両方あると思います。家事やお仕事が負担になって、ノイローゼやうつになってしまうこともあるでしょう。そのような方達に、少しでも癒されるものを提供できれば…もしかしたら、病気になるものの内、半分でも癒しによって防げるのであれば、という思いがあります。
高津先生: 私がアロマを始めたころは、日本アロマセラピー学会の会員数も少なかったのですが、最近は興味をもたれる医療従事者が大変増えてきています。こうしてまた、病院でも認められるようになれば、更に、皆さんにきちんとしたメディカルアロマセラピーを、お伝えできるきっかけになると期待しています。10年かけてこつこつやってきて良かったという想いです。やっと「癒しの医療の時代」が来た!という感じです。

大変な道のりだったのですね。本当に、ご苦労様でした。大阪労災病院の新しい試み、アロマ外来に期待しています。
本日は、ありがとうございました。


取材後記

■今回の取材先
大阪労災病院
住所:〒591-8025 大阪府堺市北区長曽根町1179-3
電話番号:072-252-3561
URL: http://www.orh.go.jp/

※本文内の情報等は掲載時のものです。
  現在の状況とは異なる場合がありますので予めご了承ください。

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