第六回 梅沢医院 高津尚子先生


略歴
氏名: 高津 尚子(たかつ ひさこ)
梅沢医院 高津先生
略歴: 1958年 大阪府堺市生まれ
1983年 近畿大学医学部(4期)卒業
土方康世先生に東洋医学を師事
現職名: こども心身医療研究所非常勤医師。堺市医師会内科医会 学術担当理事
資格: 日本心身医学界認定医。日本アロマセラピー学会認定医
所属学会: 日本内科学会。日本東洋医学会。日本代替・相補・伝統医療連合会議(JACT)。日本ホリスティック医学協会。日本波動医学協会


ナビゲーター:奈美
こんにちは!漢方ナビも少しずつみなさんに見ていただくようになり、メルマガ会員も増えてきています。
私は、みなさんとご近所の漢方医の先生との橋渡し役として孤軍奮闘中です。
本日お伺いするのは、大阪は堺市にあります梅沢医院の高津尚子先生です。
今、建物の前に来ています。親しみやすい町のお医者さんという感じで、入口に入ると中から、なんだかいい香りがしてきました。
梅沢医院



高津先生にインタビュー
はじめまして。今日はお忙しい中ありがとうございます。先生は、日常診療に漢方治療とアロマセラピーなどの代替療法を取り入れて、大変ユニークな治療を行っているとうかがったのですが。
先生: もともとここは父の代に産婦人科を開業しておりまして、去年私はここの院長になったのですが、平成元年から内科を、平成8年から心療内科の診療を一緒にやっておりました。産婦人科の父が漢方処方を取り入れていたものですから、私も自然な感じで使いはじめました。アロマを使いはじめたのは、約10年ぐらい前からで、きっかけは、ボーイスカウトのリーダー仲間からアロマセラピーの存在を教えてもらい、またその頃医療従事者の中でもメディカルアロマ連絡会が発足したりした時期でもあったので、その頃から興味をもち始めました。

漢方を使っている患者さんは自然志向の方達が多いので、あまり抵抗なく受け入れられました。特に当院は、若い女性のかたが多い診療所なので受け入れてもらいやすかったですね。その後、時代の流れにもうまく乗って、マスコミ等にも取り上げられたりしました。運が良かったと思いますね。

その後、日本アロマセラピー学会に認定医制度もでき、私も初回認定医33名の1人になったのです。今ではこの学会も大きな組織になり、現在会員数は1700人そのうち医師は約500人、認定医は120人位になっているのではないでしょうか。ここ最近は心身医療の治療のひとつとして認められつつありますが、10年前は医学的な認知度はまだ低かったですね。
今ではかなり一般的になってきていると思うのですが。
先生: アロマセラピーとは、「精油」を使ってこそアロマセラピーなのですね。だから、ハーブやお香の香りだけではアロマセラピーとはいいません。当院では精油を内服していただいたり、外用としてブレンドした軟膏を作ったり、医療の一部として使っています。香りだけで、何かをしているというわけではないのです。ですから、正しくアロマセラピーを理解していただこうと、いろいろなところに出向いて講演活動もしています。もちろん、メディカルアロマセラピーとしてね。
先生、メディカルアロマセラピーとは?という初歩的な質問なのですが…
先生: メディカルアロマセラピーとは「精油」を使って病気を予防したり治療するというものです。西洋の漢方薬とでも申しましょうか。ですが大変奥の深いものなので、基本を説明するだけでも実は大変時間がかかります。わかりやすく言えば、成分分析された精油を、香りとして嗅覚刺激で直接脳に作用させたり、吸入して肺から、また芳香成分を皮膚から吸収させたりして体内に取り入れ、病気を予防したり治療するというものです。ですから、一般にお土産屋さんで販売されているような趣味で使う精油とはあきらかに違うのです。フランスなどではちゃんと疾患ごとに様々なブレンドのレシピがあるんですよ。私たちはそれを日本人向けにいろいろ試している段階です。

精油には呼び方が違うだけで、漢方の成分と同じものもあります。例えばフェンネルは茴香(ういきょう)という生薬です。そういう意味でもアロマは西洋の漢方なのですね。

漢方軟膏は匂いがきつかったり、自分で作ると腐敗しやすかったりするのですが、精油を入れた軟膏は匂いをやわらげたり、腐敗を抑えることができるのです。昔はミイラの防腐剤に使われていたそうです。ヨーロッパでペストが流行したときに、ハーブを扱っていた業者の人達は病気にならなかったので、伝染病に効くのではと医療に使われはじめたと言われています。

アロマセラピーのことばのはじまりは、1930年代にフランスの化学者ガット・フォセが火傷にラベンダーを使ったのがはじまりで、まだ新しいものなのです。その後、第二次世界大戦中にフランスのジャン・バルネ博士が負傷兵に使ったりしたのが、フランス系の医者に広まったのですね。日本にはオーストラリアのモーリー夫人の、いい香りでマッサージをすると癒されるという形のものがイギリスに行き、それが日本に入ってきたのでエステティックなものとして入ってきてしまったのですね。フランスの流れを受けついだベルギーでは今でも一部保険扱いになっているのですよ。

ですが、日本でアロマセラピーを本格的に行うとなりますと、精油の値段が高いことや混合診療の問題などがあり、医療として普及させるには、まだまだ難しい問題がたくさんあります。私はメディカルアロマセラピーとして心身の両面に働きかけて、病気を改善するということを目指しております。成分分析された精油は100種類以上あり、植物でも取る場所によって効用も違いますし、名前も違います。このようなことを含め、正しいアロマを知ってもらうために講演してまわっているのです。仲間が増えていくことを期待しています。
アロママッサージも気持ちいいですよね。
先生: 精油をキャリアオイルで薄めたものでマッサージします。寝てしまうほど気持ちいいですよ。これだけでもさまざまな症状が改善されますね。
マッサージを家族のひとにやってもらうのも心身医療の一つの方法であると考えています。治療の原点は「手当て」というでしょう。漢方の世界でも考え方は似ていますね。診察するとき患者さんにしっかり触れますもんね。
メディカルアロマトリートメントルーム
(右)メディカルアロマトリートメントルーム
西洋薬や漢方薬と一緒にアロマをやっても大丈夫なのでしょうか?
先生: 長年アロマをやっていますが特に問題はありませんね。
ただ私はアロマだけで治そうとは思っていないのです。あくまで、西洋医学と東洋医学の補助的なものとして取り入れているのです。状況によっては、西洋医学・東洋医学のしかるべき専門の先生に患者さんを紹介するケースも当然あります。

そんなわけですから、院内のいい香りに気づいて、興味を持たれた患者さんの治療に取り入れているだけなので、長年当院に通院されていてもアロマのことを知らない患者さんもいますよ。私は治療法はある意味、患者さん自らが見つけるもので、私達医者はそれをサポートしてあげる役目なのでは?と思うのです。

漢方について言えば、これからもアロマセラピーと漢方の接点を研究して、互いのよい所を生かすことができたら…と考えています。

漢方とアロマセラピーの融合というのは自然な組み合わせなのですね。
結局両方とも自然の恵みからのお薬ですものね。
先生:

そう!そう!私の話でアロマセラピーの魅力がわかっていただけたらうれしいんですが…



取材後記
高津先生はアロマ以外にもさまざまな代替医療に精通されていて、患者さんそれぞれの個性に合わせて、決して押し付けることなく、自然と治療に取り入れ、喜ばれているようです。遠方から訪ねてくる患者さんもいると伺いました。患者さんがそれを望むのなら何でも試してみる…そんな先生です。大変自由な発想をお持ちで、取材後も話がつきませんでした。いい波動をもらい、私も絶好調になってきました。…気のせいかな?

■今回の取材先
梅沢医院
住所:〒590-0955 大阪府堺市宿院町東2丁2-11
TEL:072-233-3177
FAX:072-221-5857
付属施設:ホリスティック サロン「アンジェリカ」
HP:http://www17.ocn.ne.jp/~anjerika/index2.html

※本文内の情報等は掲載時のものです。
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