第二回 古賀駅前クリニック 川越先生


略歴
氏名: 川越 宏文(かわごえ ひろふみ)
昭和63年 久留米大学卒業
古賀駅前クリニック 川越先生
現職名: 東京女子医科大学付属東洋医学研究所非常勤講師、(医) 同心会 古賀駅前クリニック 漢方外来担当
担当診療科: 総合診療、東洋医学(全科)、内科(腎臓)、医療相談
所属学会: 日本内科学会認定内科医、日本東洋医学会専門医・指導医、日本医学教育学会、日本透析医学会


今年もすでに6月。あっという間に1年の半分が過ぎようとしています。夏に向けて気温は高くなるばかりで、気持ちがだらけてしまうところではありますが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
漢方ナビ「今月の先生」のコーナーも第2回目を迎え、私自身は毎回どんな先生にお会いできるのか興味津々。
しかも、今回は出張取材で宮崎に来ています。
宮崎の陽射しはすでに夏!空港の感じもなんとなく開放的で、「南国に来た!!」という気分にさせられます。南国情緒にあふれた風景に、またまた仕事を忘れてしまいそう。

さて、今回取材させていただく先生は、最近まで東京女子医大の東洋医学研究所で活躍していた古賀駅前クリニック(宮崎市)の川越宏文先生です。全国でもまだ珍しいメディカル・フィットネス施設の中に漢方外来を作ることを頼まれ、大学をやめて宮崎にお戻りになったそうです。
先生の情熱が伝わってくるようで、取材前からワクワクしてきました。
駅に着いてみると、目の前にあるクリニックは想像以上に大きくて、ガラス張りの、太陽に良く映えるステキな建物です。
事前情報では4階立ての建物で、1階が漢方外来を含んだ内科のクリニック、2階は健診スペース、3階はメディカル・フィットネスで構成されているそうです。

写真(下)は、病院のマークの元になっている曼陀羅華のレリーフ。 前理事長時代から病院の玄関の飾られているものです。 漢方医・華岡青洲がこの植物で世界初の麻酔を行った話は有名。 前理事長は、漢方にも大変力をいれていらっしゃいました。
そのような歴史を踏まえて、新しい時代の統合医療を目指しているそうです。

それでは、第2回「今月の先生」にご登場いただくのは、川越宏文先生です。



川越先生にインタビュー
こんにちは、今日はとてもユニークな施設に漢方外来があると聞いて東京からやってきました。先生やクリニックについていろいろと教えていただきたいのですが、まずは、先生がこの施設でお仕事をするようになったきっかけを教えてください。

先生:

実は、私はこの病院での勤務は2度目なのです。今から12年前に、腎臓内科医として透析を主に担当していました。私が漢方薬を本格的に用いるようになったきっかけもその時なのです。
透析と漢方? 一見関係ないようですが…もっと詳しく教えていただけますか?

先生:

確かに、血液透析は様々な機器に囲まれて治療しておりましたので、主観的な要素の強い漢方治療はその対局にあるのかも知れません。しかし、患者様のお話をよく聞いてみるとその多くは数値の改善ではなく、いかに快適に透析ライフを過ごせるか、つまり不眠・かゆみ・空咳などの改善の方がより患者様のニーズが強いのではと考えておりました。例えば、痒みについては、薬剤師の岩下氏と協力して、レスタミンにメントールなどを配合して少し清涼感を出してみたり、麻酔薬の原末を入れて痛みを緩和しようと、塗り薬を手作りしてました。大変うれしいことに、苦労して作りだしたかゆみ止めが、久々に勤務する病院の透析室で今でも患者様に用いられていることです。
それは、すごいですね。

先生:

その一連の仕事の一つとして、空咳対策がありました。空咳は大変苦しいもので、特に透析中には本人だけでなく、周りの患者様にとっても、つらいものです。そこで、様々なうがい薬、鎮咳薬、去痰剤などを用いましたが、なかなかうまく行かず困っているところに、麦門冬湯(ばくもんどうとう)という漢方薬を知り、試してみたところ、これが嘘のように効きまして、正直、漢方のすごさに驚かされました。そして、さらに漢方の勉強をするために、代田文彦教授のいる東京女子医科大学附属東洋医学研究所に行きました。
ところで、どうして、また宮崎に戻られたのですか?

先生:

お誘いを受けた時には、正直大変迷いました。大学での漢方教育や冷え症の研究をさらに発展させるため、メディカル・フィットネスという施設には大変興味がありました。恐らく、このような施設での漢方医学や代替医療については、全国に広がっていくと思われます。そういう意味では、当施設は健康増進・疾病予防の中での代替医療の役割を決めるという重要な任務を持っているものと考えられます。そこで、とりあえず思い切ってどんな研究ができる施設なのかを見極めようと思い、赴任することとしました。まだまだ研究は軌道に乗っていませんが、これからぼちぼちやっていこうと思います。
漢方って、いろんな病気に用いられますが、先生の得意とする分野を教えてください。

先生:

東京では、50人以上の患者様をほぼ毎日、10年間診察してきました。延べ人数では相当な数になると思います。その多くの症例が、他の医療機関で期待した答えの得られなかった方でしたことを考えると、貴重な経験を積めたと考えています。私はもともと腎臓内科でしたが、比較的手応えを感じていたのが、虚弱体質・アレルギー体質に対する治療であり、具体的にはアトピー性皮膚炎・喘息・花粉症、そして不妊症・月経困難症・更年期障害を初めとする婦人科疾患です。最高では43歳の初産の方もおられます。冷え症については私のメインテーマなのですが、漢方薬だけでなく、詳しい生活指導もしています。
最後に、今後の先生の理想とする治療を教えてください。

先生:

漢方の世界には「未病」という言葉があります。この言葉は様々な解釈がなされているようです。私は一見健康そうに見える方が将来どの様な病気になりやすいかをきちんと予想して治療することも未病の一つと考えます。そのためには、患者様から十分お話をお伺いすることを大事にする外来にしていきたいものです。
今日は漢方の世界を、少しだけですが垣間見た気持ちになり、もっともっと、漢方の世界を知りたくなってきました。本日はお忙しい中、貴重なお話ありがとうございました。


取材後記

南国宮崎のイメージどおり開放的で情熱的な先生でした。患者さん思いなのが、すごく伝わってきて、漢方は難しいという先入観が、先生の分かりやすいお話を聞いている内に、いつのまにか、漢方をもっと知りたいという気持ちに変わっていました。
先生のキャラクターは、ユーモアにあふれ、そこだけ光が射しているような感じで、取材も、楽しい雰囲気のなかで、いつのまにか予定の時間になっていたような次第でした。
宮崎から全国へ、メディカル・フィットネスが広がっていく予感を感じつつ今回の取材を終えました。

今回の取材先、フィオーレ古賀(1F:古賀駅前クリニック2F:古賀健診センター3F:メディカル・フィットネス フィオーレ)のサイトをぜひご覧下さい。

健康をトータルで診る施設として大変注目されています。

※本文内の情報等は掲載時のものです。
  現在の状況とは異なる場合がありますので予めご了承ください。


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