第一回 亀田総合病院 東洋医学診療科 川俣先生


略歴
氏名: 川俣 博嗣(かわまた ひろし)
1957年4月千葉県生まれ
1991年3月秋田大学医学部卒
成田赤十字病院、諏訪中央病院、光が丘病院、サンバリー福岡病院を経て2000年4月より現職
亀田総合病院 東洋医学診療科 川俣先生
現職名: 部長代理 常勤
担当診療科: 東洋医学診療科
所属学会: 日本東洋医学会 専門医、和漢医薬学会、日本代替・相補・伝統医療会議


記念すべき第1号にご紹介するお医者さんは、千葉県鴨川市にあります亀田総合病院、東洋医学診療科の川俣博嗣先生です。

美しい外観とアトリウムは、海に面したホテルのよう!亀田総合病院は有名でテレビや雑誌では見たことあるけど、海に面したホテルのような病院というイメージでしたが、実際に見てびっくり、まさにイメージどおりでした。南房総国定公園、安房鴨川駅から車で約5分、鴨川シーワールドもすぐそばにあり、リゾートホテルのような病院。
入り口玄関では、ホテルのような制服姿の女性スタッフがお出迎え、身体が不自由な方へのサポートをさりげなく行っていて、なんだか感激してしまいました。考えてみれば、ホテルもホスピタル(病院)もホスピタリティー(親切にもてなす)精神が共通ですものね。一人で納得。

受付窓口はなんというか、今までの病院というイメージとはかなり異なり、エントランスと言ったほうがピッタリきます。こんなロケーションですから、病院の先生に取材をするという目的を忘れてしまいそうなほど、リゾート気分にさせられてしまいました。おっといけない、仕事、仕事…かなり前置きが長くなってしまいましたが、改めまして、今回漢方ナビお医者さん紹介第1回目にご登場いただくのは、亀田総合病院、東洋医学診療科の川俣博嗣先生です。



川俣先生にインタビュー
はじめまして、よろしくお願いします。まずは、漢方治療におけます先生の治療方針をお聞かせいただけますか。

先生:

そうですね〜…漢方は非常に古く2千年ぐらい前に完成されたもので、人間の体をブラックボックスとして外側から想像して、陰陽五行説などの概念を使って治療していました。現在でも、この概念が基礎にありますのであまり進歩していないのですね。しかし、西洋医学では解剖学、生理学、生化学などの基礎医学により人間の体の内部が解ってきてブラックボックスではなくなってきている。そこで西洋医学の基礎医学の知識を使って漢方医学の体系を再構築して、治療に当たっております。例えば、夜間頻尿などで、腎虚(じんきょ)というのがありますが、どのようなことが体の中でおきているのかを考えずに、「夜間頻尿=腎虚」の図式で、ある漢方薬が選択されるという流れが東洋医学の考え方なのですが、もう少し掘下げて、夜間頻尿という機能的異常はどうしておきているのかということを解明することが大切だと思います。そして、腎虚の中身ですとか、オ血(おけつ)(おけつ)血虚(けっきょ)という状態は体の中でどういうことがおきているのかということをよく検証して、漢方を適切に処方していきたいですね。先人の直感はすばらしいものがありますが、漢方はけっして万能ではありませんから、何が正確であるかを検証しながら治療に当たることが重要ではないでしょうか。
そうすると、西洋医学にも東洋医学にもそれぞれ長所と短所があると思いますが、わかりやすく言うとどういったことになるのでしょうか。

先生:

大きな違いは、西洋医学は原因を細かく追究していくのですが、原因がみつからない場合はお手上げです。
それでは、原因不明のまま症状をかかえた状態になってしまいますが。

先生:

そういう場合は、だいたい心因性の問題として心療内科に行って下さいということになってしまうのです。とにかく悪い原因を追求していくのが西洋医学ですね。西洋医学の良い点は、原因が見つかれば、それを取り除くことによって治療できる点がすばらしく、東洋医学ではできない点です。ガンなどには大変有効な治療法ですね。反面、原因がみつからなければ何もできないというのが欠点でもあります。一方、東洋医学は症状に合わせた治療法ですが、症状は改善しても病気の原因を見落として治療のタイミングを逃してしまう場合もあります。それが欠点でもあり注意しなければならないところです。長所は原因がみつからない場合でも症状を改善することができる点にあります。両医学ともに長所と欠点を持っていますので、患者さんの状態によって西洋医学と東洋医学の比重を考えながら治療に当たるのがこれからの新しい医療ではないかと思います。
西洋医学と東洋医学をうまく組み合わせて治療していくのがこれからの医療なのですね。ところで先生、原因不明の症状に対して漢方を処方して、飛躍的に症状が改善するようなことはあるのでしょうか。

先生:

いろいろな病院で検査しても原因がみつからない患者さんで、心療内科を紹介され薬を飲んでいたのですが、いっこうに良くならないケースで、当科にてその患者さんに合った漢方を処方しましたところ、長年取れなかった症状が数ヶ月で改善されたというようなことはありますね。
特定の臓器を診るのではなく、体内のバランスを診ながら処方するのが漢方のように感じるのですが。

先生:

そうですね。人間の体はいろいろな要素が組み合わさってひとつの構成になっていますので、例えば、内臓に原因があっても背中に痛みが出る場合があります。西洋医学ではレントゲンを取って異常がなければ、シップで様子を見ましょうということになってしまうのですね。ところが東洋医学ではこういう時、消化器系に関係のあるツボを押して反射を観察したりして、そこから、例えば胃に症状が出るかもしれないなどがわかります。症状が出る前に、未病の段階で胃カメラや内臓の検査を行うことができます。ひとつの臓器が原因でも他に症状として危険信号をだしていることもありますからね。足の裏は各臓器のツボの集まりですから、そこから出るサインも大変参考になります。
ツボが臓器と一体となって信号を発するのですね。ツボといえば鍼がつきものですが、先生のところでは鍼も取り入れているのですか。

先生:

鍼もやっていますよ。麻痺や痛み、しびれなどは有効な治療法です。

う〜ん…やはり漢方はかなり奥が深そうですね。ここからはがらりと話題を変えて、唐突ではありますが、先生は何か好きなことってありますか?趣味でも、食べ物でも、まあ、なんでも良いのですが…

先生:

そうですね〜…う〜ん…なんだろう…学生時代は秋田で過ごし、その後富山に住み、長野にも住んでおりましたので、温泉ですかね。休みが取れれば温泉に行きますね。長野にいたころはよく日帰りで行ってましたね。温泉は好きですよ。千葉には温泉が少ないのが残念ですね。
川俣先生
少年時代はどんなお子さんでしたか?

先生:

私は男兄弟の長男ですが、子供のころはよく野球をやってましたね。ショートを守ってました。当時は巨人の王、長島の時代でしたから、小学生の時は巨人のユニホームを着てましたね。
先生はスポーツ少年だったのですね。

先生:

当時は勉強した記憶よりも、外で遊んでいた記憶のほうが残ってますね。田舎でしたから、今のように塾はなくのんびりしてました。みんなと外で遊んでばかりいましたよ。
どちらかというとやんちゃだったのですね。

先生:

そういうことですね。
先生の好きな食べ物はなんですか?

先生:

嫌いな食べ物は特にないですね。ですが、どちらかというと魚類が好きですね。
お刺身がいいですね。
今まで読んだ本で、思い出の一冊などありますか?

先生:

本はわりとよく読みますが、最近はサイエンス物が多いでしょうか。
思い出の一冊となりますと、高校生のころ読んだ宮本武蔵が印象に残ってますね。
その中に出てくる「吾以外皆吾師」という言葉。自分以外の周りにいる全ての人達が先生なのですよ、という意味です。それが印象に残ってますね。座右の銘の一つです。
最後に漢方ナビへの何かアドバイスをいただけないでしょうか。

先生:

今までは西洋医学が中心でしたが、漢方もひとつの治療体系があります。まだまだ古い概念に基づいているので分かりにくい部分がありますが、こういった概念を分かりやすいものに変えていくのは医者である我々の仕事であります。漢方ナビには、原因不明で困っている方たちに分かりやすく、漢方の良さをインフォメーションして、ひとりでも多くの方たちが漢方に出会い、その良さを知っていただけるようなサイトになるといいですね。
本当に今日はお忙しい中ありがとうございました。先生からのアドバイスを肝に銘じ、漢方ナビが一般の方たちに愛される、そんなサイト運営を心がけていきたいと思います。


取材後記

最近の漢方薬は一昔前のイメージとはだいぶ違ってきているようです。子供でも飲み易い錠剤やカプセルもあり、西洋薬とそれほど変わらないようです。
携帯性にも優れ、飲みやすいパッケージになっていてかなり便利。そんな漢方ですから、最近はインターネットで検索して、先生のところを訪れ積極的に漢方治療に取組む患者さんも増えてきているようです。
そうですよね、原因が分からなければ、結局、自分でなんとかするしかないですものね。そんな人たちにひとりでも多く漢方のよさを伝えていくべく、新たな決意を胸に今回の取材を終えました。

それにしても、川俣先生はお会いして話しているうちに自然と気分が安らぎ、最初の緊張がうそのように取れ、最後はもう少しお話を聞きたい気分にさせられました。病院内を少し探索しましたが、どのスタッフの方も自然な笑顔で患者さんに接していたのが印象的でした。IT化も日本で最先端とのことですが、それよりも、人間の優しさや思いやりが感じられる病院でした。

亀田総合病院の詳細情報は、http://www.kameda.or.jp をチェックしてみて下さい。

2005年4月には、新病棟 K-Towerもオープン予定ですし、亀田総合病院から目が離せませんね。

※本文内の情報等は掲載時のものです。
  現在の状況とは異なる場合がありますので予めご了承ください。


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